エンジニアとかデザイナー、プロデューサーとかコーダー、Webに関わる様々な職種の中で、最も仕事の範囲や内容が明確でない(悪い意味ではなく)のはディレクターと呼ばれる人々なのではないかと思いました。
まあその認識も僕の思い違いかもしれないし、実際どのようなスキルが必要で、どのような業務を遂行するものなのか、より体系的に、より新しいトレンドが盛り込まれている本を見つけたので読んでみました。
もちろん、2017年の現在の最新、という意味で。
目次
本書の目次は以下の通り、5章から成っています。
- ディレクションの目的と役割
- 企画
- 設計
- 制作・進行管理
- 運用・改善
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ディレクションの目的と役割
そもそもディレクションとは何かについて語る前に、いま求められるディレクションの理想型からそこに至るまでの歴史的なところ、そしてトレンド、新技術などについて触れています。
そして、それらを踏まえてディレクターの役割と必要なスキルセット、組織や事業、委託会社との担当範囲についてなど、様々なディレクションの形やフェーズについても説明されています。
この時点で、僕も知らなかったことが多分にありました。
企画
制作に入る前の企画段階からディレクターの仕事(つまりディレクション)は始まっています。
ステークホルダーとのキックオフミーティングと、企画を練る上で重要なヒアリング方法(またはヒアリングシート)、そして、途中でUXの設計・可視化についても言及した後、提案書や要件定義書といった、ここでの成果物にあたるドキュメントへの落とし込みまで。
なお、企画での成果物は多々ありますが、前述のもの以外にも環境の選定、工数計算、タスクの構造化・スケジュール等々があります。
設計
ここで制作するドキュメントも多岐に渡ります。
デザイナーがビジュアルという肉付けをする人々だと仮定するならば、ディレクターは骨組みとなるフロー図やワイヤーフレームを作成する人、といったところでしょうか。
本章は、時代によって様々な考え方やツールといった、潮流が激しい部分です。例えば、SNSでのシェア機能であったり、WordpressなどのCMS、クラウドサービスや外部サービスとの連携などがそれにあたります。
制作・進行管理
制作はデザイナーの範囲では?と思われがちかもしれませんが、このフェーズもディレクションは必須です。
文字通り、進行管理がディレクターの寄与する部分になるわけですが、ただ管理をしていればいいのではなく、現場の状況変化をいち早く汲み取り、読み取り、対応することが必要です。ここではその為のツールも紹介されています。
運用・改善
このフェーズはディレクターの種類によっては無い場合もあるのかもしれませんが、いわゆる社内ディレクターであれば「作って終わり」ということはありません。
サービスやサイトをリリースした後は改善フェーズとなり、運用を効率的に回したり、新しい機能を作ったり、バグを修正したり、様々な問題・課題も発生します。本章は比較的短めではありますが、そういった運用フェーズにおける事柄について触れられています。
感想
自社サービスやサイトを持ってディレクションするディレクター、外注を受けてその制作をディレクションするディレクター、運用改善までをディレクションするディレクター。
「Webディレクション」の広義なところ、狭義なところ、その定義や在り方、仕事の範囲は様々なのだと思う一方、こうしてトレンドを常に押さえ続けていかなきゃいけないのは同じなのだろうと。開発者が新技術を勉強していくのと似てる気がする。
自分はどちらかと言えば開発者(プロデューサー、エンジニア)だけど、こういったディレクションにも興味があるし、それも理解して一部でも実戦できたら強いのではないかなと。
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