先週、久しぶりに有給休暇を使ったお休みの日、東野圭吾さんの「ラプラスの魔女」を読みました。そして今度は同著者の前作「虚ろな十字架」を読みました。
本作は2014年の5月に出版されたので、前作と言っても一年しか経ってないことになります。帯に書かれた「死刑は無力だ」という言葉が衝撃的な一冊です。
虚ろな十字架
まずは、今回も内容紹介を出版社サイト(光文社)から引用させていただきます。ちなみに、特設サイトもあるようです。
動かない事実がある。彼女は、もう戻らない。
別れた妻が殺された。もし、あのとき離婚していなければ、私はまた遺族になるところだった。
東野圭吾にしか書けない圧倒的な密度と、深い思索に裏付けられた予想もつかない展開。
私たちはまた、答えの出ない問いに立ち尽くす。
この"私"という主人公は中原という人物。彼はかつて娘を殺された過去を持つが、その裁判の後に別れた妻・小夜子をも殺されてしまう。そんな二つの殺人事件が絡み合い、もう一つの真実が明るみになっていく。
中原と小夜子だけでなく、仁科、井口、町村、といった一見無関係そうに見える人物達の偶然とも取れる関係性とは。そして、富士宮の樹海が示すものとは...。
TV CMもありました
当時のものなので、最新作、となっています。
樹海を描いた表紙と共に、いくつかのフレーズが問答のように浮かび上がる。内容に関する言及はほとんどないですが、本作で掲げられているテーマが「死刑」と「贖罪」であることが伝わってきます。
徐々に明かされる真実に引き込まれていく感覚は、サスペンスドラマを観ている時のそれに類似するものがあります。
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