水晶体再建術の記憶的記録

先日、左目の白内障手術を受けてきました。

手術自体は5年前の「網膜復位術(強膜バックリング手術)の記憶的記録」以来でした。本記事では、30歳にして白内障手術を受けることになった経緯やその経験を、超個人的主観から綴っていきたいと思います。

この記事を書くモチベーション

まず、白内障というものの特性上、自分の年齢で発症し、かつ少なからず生活に支障をきたすというのは稀有です。なので、手術をする決断も含め、貴重な経験なのではないかと思いました。

また、このブログという場で、5年前の手術同様、その記憶を記録として残しておきたい、とも考えました。欲を言えば、同じように若くして白内障の(ような)症状を感じている人々に対し、主観的な経験談ではあるものの、ひとつの情報として提供できれば、と。

経緯

今回、白内障手術に至る以前の経緯については、前回の手術時の記事でも書いたとおり、ロングランになってしまうので割愛します。

ただ、今回書いておきたいのは5年前と違う点として、明らかな自覚症状があり、自身でその手術のタイミングも決めた、ということ。

自覚症状

インターネットで検索するとよく出てくるのが、

  • 光が眩しい(例:対向車のライトなど)
  • かすんで見える
  • 物がダブって見える

といったところです。僕の場合、概ねこれらに当てはまっていました。特に、白いものや明るいものがかすんで見えた、という印象です。

もう少し具体例を挙げるとすれば、

  • 電車の車内蛍光灯が前より強くない?
  • 向こう側から歩いてくる人の顔がはっきり見えないなあ
  • 暗い場所の白い画面が見づらいぞ(白飛びみたいな)
  • 黒い画面の白い文字はよく見える!

とにかく、明るさを強く感じ、SEが使うような黒い画面(仕事上よく使う)はすごくよく見えました。よって単純な視力低下ではないだろうな、と。

診断

白内障、でした。

進行具合は見てくださった眼科医によってまちまちではあったけど、いずれも生活に支障が出てるなら手術適用、といったレベルでした。(要するに時期も含めて自己判断でOK)

自覚症状を感じ始めてから一年ほど経った頃、徐々にではあるものの、眩しさや見づらさが増しているようにも感じていました。そして、仕事上でも少し不便さもありました。(窓側にいる時に明るくて見づらいとか)

手術に対する考えと決心

正直言って、今回の手術ほど、希望と絶望が表裏一体になった手術は、僕の記憶上、もとい経験上はなかったように思います。

一般的に、手術=良くなるもの、という最終手段的かつ希望的なイメージがあるのかもしれないけど、僕の中にはそういった考え方はあまりないです。手術はできればやりたくないを根底にし、やっても必ずしも劇的に良くなるとは限らないもんな・・・といった、これはなんというか、経験からくる、イメージです。

それでも今回の手術が「希望と絶望の表裏一体」というのは、自身が白内障の自覚症状を感じていて、調べる限り「誰もが歳を重ねると発症し、手術による回復率が非常に高い」という情報が至るところにあったからです。

  • 希望:手術による回復率が非常に高い(満足度)
  • 絶望:歳を重ねると発症(※まだ30歳なのに!)

なお、「歳を重ねると発症」という部分に関して言えば、おそらく5年前の手術が影響(手術をしたことで水晶体の濁りがうんたらはあるらしい)しているだろうとのこと。

そして6月下旬、手術を受けることを決心しました。

入院までの日々

6月下旬に「手術を受けたい」旨を伝え、7月半ばに手術に向けた検査をすることになりました。

僕はこの「待っている時間」にあれこれ考えてしまう性分なので、「はい、じゃあ明日手術ねー」くらいのほうがいいタイプなんですが、そうもいかないのでぐっと堪えて日々を普通に過ごすことに努めました。

いや、実際明日ねーってなったら色々調整が困るだろうけれど。

7月半ばの検査

以下のことが決まりました。

  • 手術は9月以降に行うこと
  • 入院は2泊3日 or 3泊4日
  • 8月半ばに眼内レンズ選定のための検査をすること

9月以降に、というのは医療保険の関係もあっての判断です。

8月半ばの検査

以下のことが決まりました。

  • 先進医療である多焦点レンズを使うこと
  • 9月6日に手術を行い、2泊3日の入院

僕は少し乱視持ちだったのですが、多焦点レンズが使用可能、との診断結果でした。単焦点レンズも覚悟していたのですが、年齢が若いこともあり、自費にはなるけど、と多焦点レンズを勧めていただきました。

ちなみに、加入済みの医療保険で先進医療特約が使えるので、まだおりるかわからないけど、これから請求申請予定です。

入院直前

相変わらず仕事は忙しかったです。いや、むしろ直前のほうが忙しかったと言わざるを得ない状況でした。。ある意味、あまり考え過ぎずに過ごせた面は多少あるかもしれません。

そんな中、保険に必要な書類を取り寄せたり、日用品(歯ブラシとか)を揃えたり、いつものように病衣は着ないポリシーなので前開きのパジャマを調達したりしました。

手術

入院は午前、手術はその日の午後(15時半)でした。(自分的にはこの日を跨がないスケジュールが嬉しい!)

手術開始の2時間半前から点眼が始まり、30分ごとに2-3種類つけていきます。主に散瞳させるための目薬かと思います。

予定より30分早まって手術室に呼ばれました。

手術中の記憶

点眼のみの局所麻酔につき、前回のような注射麻酔はありませんでした。手術台というか椅子に座り、そのままリクライニングで仰向けに倒れます。

左目以外の部分を覆い隠し、テキパキと作業が進められていきました。2人くらいの先生と看護師さんの掛け合いを聞きながら(と言っても専門用語はわからない)、目を動かさないことだけに集中していました。

時折見える景色は、目に当てられたライトの眩しさだったり、それが視線から外れた時に少し見える手術室の天井だったり。でも基本は、液体のようなものを入れられているからか、ぼやけた中にうっすら物体が見えている感じでした。

例えるならば、海底に寝そべって太陽の降り注ぐ光を見ているような、そんな感覚です。もちろん海底に寝そべったことなんてないけれど。

人によっては濁ったレンズを取り除いた時や、人工レンズを挿入した時がわかる人もいるらしいのだけど、僕にはよくわかりませんでした(たぶんそこまで白濁状態じゃなかったから?)

手術時間と手術直後

予定では15分くらいとのことでしたが、僕は散瞳があまりよくないらしく、30分ほどで無事完了となりました。

終わって目に当てられていた光が消された瞬間から、ぼやけてはいるものの、ちゃんと見えていました。病室へ戻り、前回同様、2時間の安静に入りました。

手術後

2時間の安静後は、3時間ごとの目薬が開始となります。上記の写真のように、すごろくを進めるがごとく、6時 / 9時 / 12時 / 15時 / 18時 / 21時の1日6回です。

ちなみに、目薬は退院後の今(記事執筆中)も続いていますが、現時点では1日3回に回数自体は減りました。

その他、入院中の制限は特にないため、食事は病院食をいただきつつ、小腹が空いたな(というか暇だな)と思ったら1Fの売店へ趣き、お茶とかお菓子を買って病室でもぐもぐタイムするなどしてました。

退院

経過は特に問題なく、予定通り2泊3日での退院が決まりました。金曜朝に入院し、日曜朝に退院です。お世話になりました。

支払いはなかなか高額だったので、先進医療特約の医療保険で戻ってくることを願うばかりです。

現在の視え方

視力としては、裸眼でも日常生活を送れるくらいにはなりました。ただ、手元で見るスマホや本などはピントが合いづらいため、リーディンググラスを使うほうがよく見えます。(一応、明るければ無くても読める)

遠くは術前の眼鏡使用時と同等か、ちょっと弱いくらいなので、上述の通り日常生活は裸眼で大丈夫そうです。また、遠近どちらの眼鏡を作るとしても、まだ術後間もないため、もう少し先になりそうです。

終わりに

今回、齢30歳にして白内障手術を受けたという記憶的記録を残すため、術前から術中、術後までを綴りました。

もちろん、これがすべての人に当てはまるわけではないし、個人差はあるけれど、白内障という、誰しもがなり得る病の体験談のひとつとして、どなたかの参考になれば幸甚です。