"シリコンバレー式 最強の育て方"を読んだ話

先日の「"ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法"を読んだ話」に続き、1on1界隈で著名な書籍を読んだ。

夏休み読書の第三弾(たぶん最後)。というわけで、自分用メモがてら、感想を書いていく。

本書について

いわゆる、1on1の導入手引き書、のような構成のため、1on1ミーティングとは?というところから、具体的に何を話すものなのか、何が良くて、どういう効果が期待されるのか、などが具体例とともに紹介されている。

第1章 なぜ、今1on1ミーティングで人も会社も変わるのか

まずは1on1の前に、職場や組織で行われているコミュニケーションについて触れ、「対話」の重要性、そして1on1の必要性を述べている。

1on1ミーティングが行われていない6つの理由として以下を挙げている。

  1. 「忙しい」
  2. 「面倒くさい」
  3. 「(過去の面談で)嫌な思いをした」
  4. 「苦手意識」
  5. 「必要ない」と思っている
  6. 自分の上司に1on1を「されてこなかった」

いずれも納得というか、理解しうる理由であると思う。一方で、ある種の決めつけも含まれるため、「まずはやってみてよ」という感じもある。(ただ、僕もまだ1on1の絶大な効果は感じきれていない面は大いにある)

本章では、1on1ミーティングで実現する8つのこと、についても説明されている。ひとつひとつが丁寧に説明されているのでここでは割愛するが、自分が付箋を貼った1つを紹介する

3. やる気のなかった部下が自発的に働くようになる

ほんとか?と疑わざるを得ない。特に、この節の後半に記載されている例は些か強引さも感じる。これほど上手く事が運ぶとは思えない(運ぶなら幸運)が、百聞は一見に如かず、ということで実践して判断しようと思う。

無論、ただ1on1を実施するだけで実現し得るものではないが、「やる気になる」というキーワードに対して、三つの欲求を満たすことが重要であり、それらは1on1の場で満たせる、と。

  1. 関係性への欲求(相手に受け入れられていると感じていること)
  2. 有能さへの欲求(「自分にはできる」という自己効力感を持てること)
  3. 自律性への欲求(物事を自分で決めた実感を持って取り組むこと)

結果的に「やらせる」であったとしても、自分自身で決めたこととして実感して「やる」のとは違う、ということ。

第2章 1on1ミーティングで何を話すのか−部下と信頼を構築するために−

この2章と3章では、1on1で話す内容について焦点を当てて解説されている。

話し合うテーマは大きく7つに分類され、それらは目的別に2つのステージに分けられる。

信頼関係づくりステージ

  1. プライベート相互理解
  2. 心身の健康チェック
  3. モチベーションアップ

成長支援ステージ

  1. 業務・組織課題改善
  2. 目標設定/評価
  3. 能力開発/キャリア支援
  4. 戦略・方針の伝達

1on1のイメージ的には、後者のステージにあるようなテーマがメインかと思われがちだが、後者を効果的に話すために、前者の信頼関係づくりが非常に重要になる。

つまり、「信頼関係をつくりながら、部下の成長を支援すること」が上司が行うべきこと。

「ほめる」ことと「承認」の違い

信頼関係づくりステージの「3. モチベーションアップ」の解説にて言及されている一節。前提として、部下をほめましょう、ということがあるのだけど、それと似て非なるのが「承認(アクノレッジメント)」。

ほめる)
その人についての話し手の評価や意見。話し手自身が本当にそう思っていないと気恥ずかしさがある。

承認)
事実を認め、それをそのまま伝えること。話し手は客観的事実を伝えるだけであり言いやすい。

「髪切ったね」が承認で、「髪切ってかわいいね。似合うよ」がほめること。事実と主観の違い。

第3章 1on1ミーティングで何を話すのか−部下の成長を支援するために−

第2章は「信頼関係づくりステージ」について解説され、本章は「成長支援ステージ」について解説されている。まず、大事なこととして、「部下の仕事のサポートではなく、成長のサポートである」ということ。

先の4つについてそれぞれ詳しく解説されているが、今回も自分が付箋を貼った部分を取り上げる。

4. 業務・組織課題改善

緊急度かつ重要度の高い事案は、1on1を実施していない場合であっても部下とのコミュニケーションが発生する可能性が高い。よって、1on1は必要ないと思っているマネージャーもいる。

一方で、重要度は高いのに緊急度が低い内容(下図で示されるBの領域)についてはなかなか話し合われない。具体的には、「チーム内の情報共有のやり方を決めて知識共有の仕組みをつくる」といったようなこと。

そのようなBの領域に踏み込むことができれば、結果的にAの領域が削減され(先の例だと仕組み化によって効率的になるということ?)、計画的に仕事が進められるようになる。

1on1ではBの領域について扱う。すなわち、数字や具体的案件の進捗確認などの目先の成果に関することは扱わない。

5. 目標設定/評価

付箋は貼っていなかったけど、キーワードをメモする、「MGC目標作成法」(MUST・GET・CAN)。本書P.126に記載。

評価制度は「理解する」のではなく「活用する」もの

評価制度は、それを細かくすると融通の利かないものになってしまうため、評価に関することすべてを網羅されてはいない。書かれている能力や行動だけで運用することも到底できない。

よって、評価制度に頼らず、伝えたいことを補足し活用するものにする。その際、評価制度の思想や背景を含めて説明すると納得感が高まる。

6. 能力開発/キャリア支援

この節については「ヤフーの1on1」という書籍でも、同じコルブの経験学習モデルを用いて解説されている。個人的には、これが1on1で求められる支援の最たる部分であるとともに最も難しい支援だ、と思ってる。

能力開発においては、「既にある能力を自覚させること」が重要。無自覚で発揮した能力はその再現性が乏しいが、自覚することでその能力を扱えるようになる。

これは自分的なメモだが、P.145の「将来何をしたいの?」に関する言及は上司としても部下の立場としても納得というか、確かに、という内容。将来やりたいことを考えるための二つのアプローチ。

トップダウン型

目標から逆算する考え方で、将来像を明確にイメージしての逆算。今何をすべきなのか、今やってることがどう将来につながるかを考えるやり方。

ボトムアップ型

現状の積み重ねによってキャリアを切り開く考え方。将来はまだ明確ではないが、今の気持ちや考えを大事にして、積み重ねて将来につながるやり方。

第4章 1on1ミーティングを始めてみよう

「ヤフーの1on1」とも似ているといえば似ているが、後半はまだ1on1をやっていない、または始めたばかり、という人向けの指南書といった内容。

自分は既にやっている身なので、ここについては「そういうやり方もあるのか」といったことを期待して読んだ。印象的だったのは「空間をプロデュースする」という節(P.164)。

1on1を継続させるポイント

いくつか挙げられているが、「6つのレベル」で質の向上を楽しむ、というところを取り上げる。1on1ミーティングの成長プロセス。

  1. 「コミュニケーション量の増加」によって、上司と部下の信頼関係がつくられる
  2. 「傾聴」を通して、部下理解が深まる。上司と部下のの相互理解の始まり
  3. 「承認」を通して部下のモチベーションが向上する
  4. 「質問やフィードバック」を通して、部下が業務から「学びや気づき」を獲得する
  5. 「気づきや学び」をもとにして、部下が「新たな行動やチェレンジ」をする
  6. 「チャレンジ」を通して、部下が成果への貢献感と能力の向上を自覚する

レベル6なんかは完全究極体グレート・モスって感じだけど、本文にもあるようにまずはレベル2や3を大事にして続けること。自分としては、3とか4のレベルを意識していきたい。


先に読んだ「ヤフーの1on1」と併読したことによってより理解が深まったと思うし、最終的な感想はやっぱりこれも実践あるのみ。

P.S ブログ、h4-h5の見出しを見直したい・・・。

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